コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス報告書

コーポレートガバナンス報告書

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、企業価値の向上を図るため全てのステークホルダーとの良好な関係を築き、持続的に発展していくことを目指しています。その実現のため、経営の透明性、迅速性、効率性を基盤としたコーポレートガバナンスの強化が重要な経営課題であると認識しています。
当社は、社外取締役の経営参加による取締役会の監査・監督機能を強化することをねらいとして、2015年に監査等委員会設置会社へ移行しています。このガバナンス体制のもと、さらなる企業価値の向上に努めています。

政策保有株式に関する方針

事業戦略上、新たに関係を強化すべき企業、また、取引先として継続して関係を強化すべき企業などの観点から総合的に判断して中長期的に保有する政策保有株式を決めております。保有株式については毎年、保有にかかるコストとリターンを確認し、中長期的にも保有意義がなくなったと判断した場合には株式の売却を行う方針であり、それに基づいた運用をしております。取締役会における検証の結果、保有継続を決定した銘柄については、有価証券報告書の「株式の保有状況」欄で開示します。

コーポレートガバナンス体制

取締役会の構成は、2019年6月より、執⾏役員を兼務する取締役を2名、監査等委員を兼務する取締役を5名(うち4名は独立社外取締役)として、独立性・客観性のある取締役会の監督をより強化するため、経営の"監督”と"執行”を分離したガバナンス体制・経営執行体制を導入しています。
これにより、業務執行に対する監査・監督機能の強化に加えて、株主の皆さまの視点に立った議論の活発化を図っています。
また、通常再任されることの多い会計監査人の在任期間を、より高い独立性と適正な外部監査の確保・継続を目的に、原則最長10年と定め、経営の透明性を強化する体制を整えています。

コーポレートガバナンス体制図

ガバナンス強化の変遷

取締役会

当社の取締役会は7名の取締役(独立社外取締役:4名、社内取締役:3名)で構成し、毎月1回以上開催しています。
取締役会では、適時適切に会社の経営情報を共有し、経営戦略を立案しています。定款に基づき、一定の業務執行決定の全部または一部を取締役会から代表取締役に一任することで、迅速な意思決定を図っていますが、代表取締役に委任された事項についても、取締役会ではその実施状況をモニタリングしています。

2022年度の主な審議事項

  • 中期経営計画の各施策およびESG活動の進捗
  • 成長戦略/組織論に関する議論
  • 企業理念の検討
  • 海外事業戦略
  • クレアネイト株式追加取得および新工場建設に関して
  • クロス企画株式取得
  • 決算分析と資本政策
  • 業務執行役員による執行報告とそれに対する議論
  • 内部統制システム/リスク管理委員会/コンプライアンス委員会/状況報告

取締役の選任理由

氏名

選任理由

2022年度の取締役会への出席状況

安田 正介

2014年の当社代表取締役社長就任後、自ら中心となって策定した中期経営計画の定量目標2016年度連結当期純利益63億円を達成しました。続いて2017年に発表した中期経営計画では、営業体制の改革、ロジスティクスセンターの再配置などの機能強化、既存事業の持続的な成長のための事業戦略を推進するとともに、事業の地理的拡大を行い将来の成長のための基盤整備を行いました。2020年5月に発表した中期経営計画において基幹事業の質的成長による収益の拡大と基幹事業のリソースに基づく次世代事業の収益化に加え、SDGsに掲げられている社会の課題解決に向けて、定量目標を掲げ取り組み、経済的価値、社会的価値のそれぞれの定量目標について達成しました。また就任以来資本効率の向上に向けた財務方針、積極的な株主還元政策や資金配分政策などの資本政策を実行しました。
これらの経験と実績から引き続き、取締役として適任と判断いたしました。

100%(15回中15回)出席

近藤 康正

大手商社において、国内・海外での石油化学品の業務に従事し、また、前職では上場企業の経営に携わり、企業経営全般に関する豊富な知識と経験を有し、当社入社後は社長室、総務、人事、情報システム、経営監査などの管理部門の担当執行役員として、同部門の強化に取り組んでおります。これらの経験と実績をふまえ、取締役として適任と判断いたしました。

羽鳥 正稔

上場会社(素材メーカー)における代表取締役経験者としてさまざまな素材事業のみならず、加工事業に関しても豊富な経験と高度かつ専門的な見識を有され、取締会などにおいて、積極的に企業経営全般に係る意見や市場における当社の目指す姿に関する意見をいただくなど、経営を監督・監査する役割を担っていただいております。引き続き、同氏の見識を当社の経営に活かしていただけるものと判断し、監査等委員である社外取締役として選任しております。※1

100%(15回中15回)出席

浜田 道代

会社法学者及び元公正取引委員会委員としての豊富な経験と高度かつ専門的な見識を有され、取締役会などにおいて、積極的に企業法務に係る意見や当社の女性活躍推進に係る意見をいただくなど、経営を監督・監査する役割を担っていただいております。引き続き、同氏の見識を当社の経営に活かしていただけるものと判断し、監査等委員である社外取締役として選任しております。

100%(15回中15回)出席

宇田川 憲一

上場会社において生産・製造面の事業構築に加え、さまざまな海外事業の立ち上げ・拡大に貢献され、また代表取締役経験者として経営に携わるなど豊富な経験と高度かつ専門的な見識を有され、取締役会などにおいて積極的に企業経営全般に係る意見や当社の海外事業運営に関する意見をいただくなど、経営を監督・監査する役割を担っていただいております。引き続き、同氏の見識を当社の経営に活かしていただけるものと判断し、監査等委員である社外取締役として選任しております。

100%(15回中15回)出席

寺田 修

上場会社(大手建設会社)における国内外での建設事業の拡大に貢献され、また代表取締役経験者として経営に携わるなど豊富な経験と高度かつ専門的な見識を有されており、取締役会などにおいて、同氏の企業経営全般並びに建設業界全般に係る意見をいただくなど、経営を監督・監査する役割を担っていただいております。引き続き、同氏の見識を当社の経営に活かしていただけるものと判断し、監査等委員である社外取締役として選任しております。※2

100%(15回中15回)出席

佐々木 修二

当社において営業本部長など幅広い分野に従事し、国内インテリア業界と社内事情に精通し、豊富な業務知識と経験を有しており、監査等委員会における社内の日常的な情報収集や執行部門からの定期的な業務報告の聴取など、経営を監督・監査する役割を担っていただいております。
引き続き、同氏の見識を当社の経営に活かしていただけるものと判断し、監査等委員である取締役として選任いたしました。

100%(15回中15回)出席

〈独立性に関する補足説明〉

※1羽鳥正稔氏は2000年3月から2003年3月まで、当社壁装材及び床材の仕入先である富双合成株式会社の代表取締役社長を務めておりましたが、同社退任後20年経過しており、当社が定める社外取締役の独立性基準を満たしていることから独立性に関して懸念はないと判断しております。

※2寺田修氏は、2020年6月まで、当社の取引先である清水建設株式会社の取締役を務めておりましたが、 同社との取引額は当社の2022年度連結売上高に対する割合で0.001%に満たない額であり、当社が定める社外取締役の独立性基準を満たしていることから、独立性に関して懸念はないと判断しております。

取締役会の実効性評価

取締役会としての判断、監督、会議の運営などについて、取締役会の実効性の担保に努めており、年1回、各取締役が取締役会に対する自己評価を行い、その上で取締役会全体の実効性の分析・評価を実施しています。評価項目は、取締役会の構成から議論内容の質やステークホルダーとの対話など多岐にわたっています。
2022年度分の評価については、2023年5月にアンケート調査を取締役全員に実施し、評価結果を取締役会で審議しています。
取締役会は、原則毎月1回開催し、重要案件をタイムリーに審議決議しています。資料は事前配付、またはデータ配信の上、監査等委員会で、取締役会の各議題について事前に常勤の監査等委員から社外取締役である監査等委員に説明して闊達な議論が行われるよう工夫しています。
取締役会では十分な審議時間を確保して、豊富な知識・経験を持つ社外取締役により多角的な視点で経営課題を検討しています。取締役会の運営方法についても社外取締役からの意見・要望を取り入れて実効性の向上に努めています。

2022年度取締役会の実効性評価の方法

主な評価項目およびその結果

  • 中長期経営計画に関する方針決定や進捗状況の確認などは適切に行われており、株主への詳細な内容の説明を適切に行えている。
  • 取締役会として審議・議論すべきテーマは適切に行われているが、さらに分野を拡大して、事業の進捗状況や成長戦略に関する議論の場を増やしていく。
  • グループ全体を含めた内部統制やリスク管理体制は適切に機能しており、運用状態の把握ができている。
  • CEO等の後継者計画の策定・運用や後継者育成に関しては、指名報酬委員会のみならず、社内取締役や執行幹部の意見聴取も行うことで、指名報酬委員でない取締役会出席者も関与することができている。

監査等委員会

監査等委員会は、独立社外取締役4名に常勤の社内取締役1名を加えた5名の監査等委員で構成しています。
内部統制システムを活用した監査を中心としつつ、委員自ら国内外の拠点往査も実施しています。一方で、社長との定期的な意見交換会、執行役員や社員からの報告会、会計監査人からの報告会、関係会社監査役連絡会等の実施により、有益な情報を入手・共有することで監査等委員会としての監査の実効性を高めています。

主な活動状況

業務執行状況に関する認識向上のため、就任時のオリエンテーションに加えて、現場の視察や経営陣との対話の機会などを設けています。2022年度には、東北・北関東・九州などの支社・ロジスティクスセンターや、国内外グループ会社への視察・往査を実施しました。さらに下記の対話や会議への出席を通じて経営執行の状況を把握し、監査の実効性向上に努めています。

・経営執行責任者との対話 11回 ※2022年度実績

 取締役会以外に、執行役員、各グループ会社の経営責任者、本部長・部長との対話の機会を設けています。

・重要会議への出席 47回 ※2022年度実績

 取締役会以外に、事業戦略会議など執行の意識決定に寄与する重要会議へ参加し、必要な意見を述べています。

・往査の実施 37回 ※2022年度実績

 各現場の生の情報を得るため、現地往査を実施しています。

監査等委員会委員長メッセージ

新たなサンゲツの企業像に合わせたガバナンスの進化を

監査等委員会委員長

社外取締役 監査等委員会委員長
羽鳥 正稔

社外取締役は、2015年に導入されたコーポレートガバナンス・コードで選任が促され、2021年の改正会社法では、上場会社への社外取締役の設置が義務化されました。当社の場合、創業家によるトップダウン経営から、より組織的な経営への方向転換を急ぐという命題から、2015年より社会的にも先駆的にガバナンス体制を整えてきました。2015年より複数の社外取締役を選任し、監査等委員会制度を導入しており、現在の取締役構成は社外が社内を上回る状態となっています。ガバナス強化の大事な取り組みである内部統制についても、経営監査部・総務部・人事部・社長室等が連携し、きめ細かな運用を行っています。社員全員が内部統制を自分事として取り組んでいるかについてはまだ課題と感じていますが、ガバナンス全体として、少なくともインテリア業界においてはかなり高度な体制、運用を保持していると思います。

本来、取締役の役割は、業務執行に関わる意思決定、決定事項が適切に進められているかの監督、法令や株主総会の決議に違反していないかの監査であり、社外取締役に求められる役割と重なる部分がほとんどです。社外取締役の存在は、いかにも重層的、重装備です。これは、国内外における企業の法令違反、不適切行為の頻発により次第に重層化していったものと考えられます。
近年、コーポレートガバナンス・コードでは短期業績や株主へのリターンを最優先する経営から、より広範なステークホルダー、ESGへの目配りをした経営を求めています。元来、我が国では株主至上主義というより、従業員を含む広範な利害関係者、地域、社会との共生を強く意識した企業観、経営観があり、この変化に対する違和感はないはずです。このような状況の中で社外取締役の存在意義・役割期待とは何でしょうか。
日常的な経営事案については、日々ギリギリの経営判断の場にいる当事者である業務執行取締役の判断の方が間違いなく妥当性が高いと思います。よって強いて言えば、社外取締役役割とは、より中長期的な視点、法令や諸規則の上位概念である企業倫理、組織の品位・品格の視点にあると思います。
業務執行サイドによる内部統制を含む自律したガバナンスの実効性が根づいてくれば、重層的な構造である社外取締役を含む現在のガバナンス体制に対する議論もいずれ出てくるのではないでしょうか。

法令、諸規則を確実に遵守してゆくことはもちろん大原則です。その一方、当社グループではインテリア事業における製造や施工、デザイン提案機能の拡充に加え、エクステリアや海外事業における業態の変化を続けております。ガバナンスにおいても、新たなサンゲツの企業像に応じた、サンゲツスタイルのガバナンスを追求・進化させ続けて行くことが必要であると考えます。

指名報酬委員会

指名報酬委員会は、監査等委員である独立社外取締役全員と取締役社長執行役員で構成しています。
後継者候補の育成計画の監督や、役員の報酬に関して具体的な報酬額を決定し透明性をもって取締役会への提案・説明を行っています。
最高責任者や取締役、執行役員の選解任には十分な時間と資源をかけ、客観性・透明性・適時性をもって資質を備えた人物を選任し取締役会に提案します。また、最高責任者がその機能を十分発揮していないと認められる場合には、適時性をもって解任を取締役会に提案します。
次期の取締役会構成メンバー、執行役員を兼務する取締役の業績評価や、取締役を兼務しない執行役員の人事・評価、並びに、役員報酬制度のあり方、報酬水準の妥当性等についても審議を行っています。

2022年度の主な審議事項

  • 次年度の取締役会構成メンバーおよび社長執行役員を含む
    経営執行体制
  • 取締役(監査等委員である取締役を除く)のうち執行役員を兼務する者および執行役員の貢献度評価
  • 次年度の役員報酬のあり方、報酬水準の妥当性
  • 社長執行役員の中長期サクセッションプランの検討
  • 中長期的な執行役員や幹部社員候補の検討

指名報酬委員会委員長メッセ―ジ

さらなる成長に向けてバトンを繋ぐ

指名報酬委員長

社外取締役 指名報酬委員会委員長
浜田 道代

サンゲツの源流は江戸時代、名古屋城近くにのれんを掲げた表具師 日比弥助に遡ります。やがて、20世紀半ばに家業を承継した日比賢昭は、弟3人とともに事業の拡大を目指し、他社に先駆けて壁紙を扱うようになりました。上場により株式市場で資金を調達し、大胆な投資を行い、20世紀末までには、壁紙に加え床材・ファブリックを含む内装材事業の全国展開を成し遂げました。その間に日比4兄弟が発揮した創意工夫や勤勉さ、困難を乗り越えて前進する気力、そして進むべき路を見極める賢さには、私も深い感銘を受けています。

事業の発展と成功は、経営トップの人間としての魅力と力量にかかっています。経営トップのバトンを、誰に、何時渡したら良いか。大成功した事業ほど、後継者の選任は難しくなりがちです。
サンゲツは、この難問をも見事に乗り越えました。4兄弟が高齢化していた2012年、社長である長男・日比賢昭は、安田正介を初の社外取締役に招聘しました。直後に社長が急逝し、続いて三男も逝去する中で、二代目社長の次男・日比祐市は、安田に社長のバトンを渡しました。世にも稀な、創業家から経営のプロへの円滑な承継が実現したのです。

2014年に社長に就任した安田は、事業の抜本的改革に乗り出すとともに、翌年には監査等委員会設置会社への移行を決め、自らを監督する者をずらりと配置するガバナンス体制を築きました。続いて指名報酬諮問委員会を設置し、2019年にはそれを指名報酬委員会に変更し、委員長は監査等委員会委員長とする旨を規定で明記しました。2021年には規定を規則に格上げし、委員長は委員の互選で社外取締役の中から選任することにしました。
指名報酬委員会は、社外取締役4名と社長で構成され、現在は私が委員長を務めています。役員報酬については、明快で透明性の高い制度を早々に決めました。取締役や執行役員の指名についても、毎年よく審議し、候補者を取締役会へ提案しています。

現在の最大の課題は、社長後継者の育成と指名です。当委員会はその重責を重々自覚しています。2022年度には、候補者の個人面談を含め、16回の会合を重ねました。社外取締役4名だけで懇談する機会もしばしば設けています。
安田は、日比祐市の期待に応え、傑出したリーダーシップを発揮し、第三の創業ともいうべき改革を強力に推進しました。それだけに、彼の後継者選びは大変です。しかし私は、次期社長候補者とバトンタッチの時期の見極めを、現任の指名報酬委員会で成し遂げ得ると信じています。そして、創業家が礎を築き、安田が自立的な組織として形づくってきた「サンゲツ」が、自発的な成長力を持つ企業としてさらなる発展を実現することを、ぜひ皆さんにご覧いただきたいと思っています。

サクセッションプラン

当社では、監査等委員である社外取締役全員と取締役社長執行役員を構成メンバーとし、社外取締役を委員長とする指名報酬委員会において、当社の経営理念や具体的な経営戦略を踏まえ、CEO等の後継者育成計画とその運用状況について監督するとともに、人格・人望、見識、業務遂行能力、経営的視点、および経営参画意識等の基準に照らし、議論を進めています。
指名報酬委員会は幹部社員および執行役員の指名に関し、最高経営責任者(CEO)などの後継者プラン(後継計画、要求される資質、候補者選定などのステップを含む)やCEO後継者の選任に至った経緯・背景、CEO解任の提案およびそれに至る経緯・背景等について審議し、必要に応じ取締役会に説明提案を行うこととしています。

後継者の育成について

育成に関しては、将来有望な人材プールとしてリーダー養成研修や上級管理職(執行役員候補)研修といった社内の選抜制度等を活用するほか、執行役員や幹部社員候補の検討においても、社外取締役が取締役会に留まらず他の重要会議(事業戦略会議、事業課題検討会議等)に参加したり、部長、事業部長、支社長等の社員を対象に将来の経営に関して個別面談を実施したりすること等を通じて、後継候補者の人となりや考え方を直接把握する機会を多く得られる仕組みとしており、指名報酬委員会における議論に役立てています。

後継者育成に関する重要事項

  • CEOの中長期サクセッションプランの検討
  • CEOに求められる要件・資質の適宜見直し
  • 中長期的な執行役員や幹部社員候補の検討
  • 一定の時間軸の中で、後継者の育成状況を確認する機会の多様化

業績・株主価値と連動した透明性の⾼い報酬制度

グラフ1 各執⾏役員役位別乗率(報酬別)

当社の報酬制度は①基本報酬、②業績連動報酬、③譲渡制限付株式報酬で構成し、取締役のうち執⾏役員を兼務しない者および監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみとします。取締役のうち、執⾏役員を兼務する者および執⾏役員の基本報酬は、当該事業年度の事業に対する各⼈の貢献を指名報酬委員会が評価し、貢献評価指数を0.85 〜1.25 の間で決定し、算出します。業績連動報酬は、事業収益と資本効率向上の指標である連結当期純利益(ROE)を連動指標とし、資本効率の向上を単年度ベースで実現することを⽬的に⽀給しています。譲渡制限付株式報酬は、株主の皆さまと価値共有を進めること、および企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを明確にすることを⽬的に、現在の中期経営計画期間に適⽤される株式数を決定、これを⽀給しています。各報酬の算定式は以下のとおりです。なお、役位が上位になるに従い、業績連動報酬と譲渡制限付株式報酬の⽐率が⾼くなるように設計するものとしています。

表1 執行役員1人当たりのベース単価

※自己資本=1,000億円をベースに各ROEにて基準となる各連結当期純利益を計算

役位別 報酬総額と構成割合

社外取締役の独立性基準

当社における社外取締役の選任については、会社法および上場証券取引所の定める「社外性」「独立性」に関する要件に加え、当社の経営に対し率直かつ建設的に助言できる高い専門性と豊富な経験を重視しています。その独立性基準については次のとおり定めています。

1. 現在において、次のいずれにも該当しない者

  1. 当社の議決権の5%以上所有する株主またはその業務執行者
  2. 当社との取引金額が当社連結売上高の2%以上の取引先及びその子会社の業務執行者
  3. 当社の主要借入先(当社グループの借入額が直近事業年度末で当社連結総資産の2%以上の借入先)の業務執行者
  4. 当社の会計監査人に所属する公認会計士
  5. 当社からの取締役報酬以外に年間1,000万円以上の金銭その他財産上の利益を当社から得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家(当該財産を得ている者が法人・団体等である場合には、当該法人・団体に所属する者)
  6. 当社から年間100万円以上の寄付を受けている組織の業務執行者
  7. 上記(1)から(6)の2親等以内の親族

2. 直近過去3年間のいずれかの時点において、上記(1)から(7)のいずれにも該当しない者

取締役のトレーニング等

21年12月に移転した関西支社の視察

コンプライアンス経営推進のため、取締役及び経営幹部の社内外での研修参加機会を設けており、第三者機関主催の研修会等へ参加する際の費⽤は会社負担としています。独立社外取締役については、業務執行状況に関する認識向上のため、就任時のオリエンテーションに加えて、現場の視察や経営陣等との対話の機会などを設けています。

取締役の専門性、活動状況

TOPICS

対談(2023年度実施)

経営アドバイザー
名和 高司 ×社長 安田 正介

変革し続けるビジネスモデルによって生み出す、新たな企業価値

「スペースクリエーション企業」への転換を図る中、サンゲツはさらなる成長へ向けた変革を進めています。今年度より経営アドバイザーに就任した名和氏と社長執⾏役員の安田が、今後の事業の展望や企業理念のあり方について語り合いました。

社外取締役座談会
(2022年度実施)

当社は、2015年に監査等委員会設置会社へ移行し、2019年6月には取締役7名のうち社外取締役を過半数となる4名とするなど、取締役会の監査・監督機能の強化を進めてきました。中長期的な企業価値向上とガバナンスにおける実効性の強化に向けて座談会を実施しました。