トップコミットメント

トップコミットメント

 サンゲツは1849年に屏風や掛け軸、襖などを設える表具師として創業し、1953年の会社設立以降、壁紙をはじめとする空間を構成する素材の品揃え、ソリューション提案の強化を通じて、「トータルインテリア」を提供する企業へと成長してまいりました。この根底にあるのは、「人々の暮らしを豊かにすることで、社会の発展に貢献したい」という想いです。当社の歩みは日本のインテリア文化の発展とともにあり、私たちの成長と企業価値の最大化は、持続可能な社会の発展があってこそ成り立ちます。そして、人口減少、高齢化が一段と進む一方、社会課題の高度化、価値観の多様化、デジタル・AIの目覚ましい進展、グローバル化の加速など、事業環境が大きく変化する現在、サステナビリティの重要性やニーズ、これに伴う新たな価値創出の機会は、従来以上に広がっていると捉えています。
 当社は「中期経営計画 2029」において、目指す企業像を「素材とデザインを起点に、インテリアから文化をつくる企業」と再定義しました。空間を通じて人々の感性を刺激し、多様な暮らしの実現に貢献することが、次の企業価値の創出につながると確信しています。この方針のもと、インテリア事業を成長の中核として強化しながら、その強みを周辺領域へと横展開することで、より付加価値の高いビジネスモデルへの転換を目指します。
 この過程において、サステナビリティに向けた投資や構造転換が、コストや効率性の点で短期的なトレードオフを生む可能性も認識しています。しかし、私たちは、これをイノベーションの契機と捉え、経済価値の追求と社会価値の創出を高い次元で両立させることで、これらの課題を乗り越えていきます。
 サステナビリティの実現に向けて、地球環境保全は、あらゆる産業の事業継続に不可欠な前提条件となっています。当社では、気候変動や資源循環といった観点から、環境配慮型商品の開発や見本帳のリサイクル推進等に取り組んでいます。さらに、自社単独では解決可能性に限界がある課題に対しては、サプライチェーン全体の視点から、パートナー企業との協業やアライアンスを積極的に進めてまいります。
 また、価値創造の最大の原動力は「人的資本(人財)」です。当社は、従業員のウェルビーイングを「企業価値創造の源泉」として明確に位置づけ、社員一人ひとりが「構想力」「実行力」「倫理観」を培い、その能力を最大限に発揮できる環境を整えます。社是「誠実(INTEGRITY)」のもと、全社員が誠実さと倫理観を持ち、自らの信念に基づき主体的に行動できる風土を醸成していきます。
 こうした取り組みを確実なものとするため、重点事業をはじめ当社の競争優位性を発揮できる分野へ優先的に資本を配分し、新商品開発等の R&D や海外を含む M&A・新規事業、そして企業ブランディング向上への戦略投資を拡充してまいります。
 そして、企業価値の向上に向けた最重要課題の一つが、ガバナンスの強化です。当社は、取締役会の実効性向上とコンプライアンスの徹底に、継続的に取り組んでまいります。コーポレートガバナンス・コードの改訂を踏まえ、中長期的な企業価値の向上に主眼を置いて、取締役会を一段と活性化させます。中期経営計画のモニタリングをはじめ、事業運営上の重要事項に関する議論を深め、監督機能のさらなる強化を図ります。

 私たちは、トータルインテリアとしてのコアを磨き続け、社会的責任を全うする健全な企業経営を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。社会価値と経済価値を両立しながら、力強い成長を遂げていくサンゲツに、引き続きご期待とご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。
 

 代表取締役 社長執行役員
近藤 康正