"スペースクリエーション企業"の実現に向けて、サンゲツグループは2030年を見据えたSangetsu Group長期ビジョン【DESIGN 2030】を見直すとともに、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画(2023-2025)【BX 2025】※を策定しました。
※BX=Business Transformation
2014年以降、3度の中期経営計画を通じた諸施策の実行により、2022年度には大幅な収益向上を実現しました。この一方、さらなる成長に向けては、以下のとおりさまざまな外部・内部課題を認識しています。
人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4機能、すなわち
これらを有機的にインテグレートしたソリューション力により、グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業
インテリア商材の販売を中心とした企業から、さらなる成長を実現するために、長期ビジョン【DESIGN 2030】では、目指すべき企業像として”スペースクリエーション企業”を掲げています。2020年度より進めてきたスペースクリエーション事業モデルの明確化・強化、さらなる商品・分野・海外での成長戦略展開の必要性、そしてスペースクリエーションに留まらない新たな成長シナリオの構築を目指し、グループ全体として取り組んでいきます。
当中期経営計画においては、人の強化が最大の課題であると位置付けています。キャリア採用をさらに拡大するとともに、在籍社員の処遇改善として、給与および基本賞与のベースアップを進めます。これらの取り組みを通じ、社員の仕事に対するやりがいの向上に努め、エンゲージメント向上に向けた施策を検討・実行していきます。
従来は、長いバリューチェーンにおいて情報・DATAが分断され、受注データと物流データの連携が不足しており、目の前の情報だけで業務を行ってきました。この課題認識からバリューチェーン全体の情報を得られるよう業務方法を変革し、情報を突合・分析して取引の確実化、物流の効率化を可能とする体制づくりを進めていきます。
空間デザイン・提案力強化に向けて、専門人材としてスペースデザインおよびエンジニアの採用を拡充します。商品面ではセラミック商品やエクステリア商品といった新たな商品開発に向けた取り組みを強化し、デザイン力・ブランディング力の強化、高度化を図ります。ロジスティクス体制においても、地理的な拡大および物流配送に加えてきめ細かなサービス機能を拡充し、内装施工に関してはグループ会社と連携した施工管理体制の整備を進めます。
エクステリア事業においては、前中期経営計画において実施したインテリア事業との連携を進めるとともに、エクステリア事業自体の空間提案力を強化していきます。また、一定のシェアを持つ中部地区以外にも、関東地区等をはじめとした地理的な拡大を目指します。
海外事業では、米国、東南アジア、中国・香港という環太平洋地域における量的拡大とスペースクリエーション機能の整備・強化を図り、収益化を目指します。
社会価値の向上に関しては、環境課題として、Scope1&2におけるGHGの排出量削減に加え、Scope3におけるGHGの排出量の把握と削減の方策をより明確化し、低環境負荷商品の開発強化や、見本帳リサイクルセンターでの見本帳リサイクルの拡大、またその他商品のリサイクルの推進にも取り組みます。社会課題においてはダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進、そして社会参画活動の中心として位置付けている児童養護施設の住環境改善活動を引き続き実施します。また、支援が必要な子どもたち、開発途上国、難民等への継続的な支援を進めます。
収益力の拡大へ向けて、事業構築力のさらなる強化および空間創造に関する各機能・サービスの強化・高度化を図るため、従来の商品軸での事業部体制から地域軸を収益単位とした組織へと改編を行いました。新組織体制においては、機能担当部門およびグループ各社の位置付けも明確化しています。新たな組織体制のもと、目指すべきスペースクリエーション企業の実現に向けて着実に取り組んでいきます。
デザイン提案・商品・物流・施工の4つの機能をインテグレートし、それらをソリューション力として提供する
商品の開発・調達、空間デザインの提案、総合施工力の強化や、プロモーション・マーケティング機能なども担う
在庫・配送・物流機能というロジスティクス体制の地理的・機能的な拡充・強化を担う
4つの機能の根幹となる人的資本・デジタル資本をはじめとしたコーポレート機能の強化を担う
北米、東南アジア、中国・香港に拠点を構えるグループ各社と共に、国内同様のスペースクリエーション事業モデルの確立を担う
デザイン提案・商品・物流・施工の4つの機能をインテグレートし、ソリューション力を高めることに加え、商品・分野・地域の拡大を図ることにより持続的な成長を実現します。
社会価値においては、「地球環境」「人的資本」「社会資本」「ガバナンス」の4点から、具体的施策と目標を設定しています。中期経営計画【BX 2025】における5つの施策を着実に進めることで、経済価値の実現のみならず、社会価値の実現を目指します。
(1)地球環境
①事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減
(2)人的資本
①社員の健康と能力開発、風土改革
※株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」によるスコア
②ダイバーシティ&インクルージョンの推進
(3)社会資本
①コミュニティへの参画
※2023年度の期首より、報告セグメントを4区分から3区分に変更したため、
2023年3月期の実績は変更後のセグメント区分に組み替えた参考数値となります
空間総合提案機能の強化に向けた人材拡充
住宅・非住宅を問わず幅広い分野に携わる当社ならではの、空間デザイン提案機能の強化に向けて、空間設計・企画を行うスペースデザイン人材のキャリア採用および育成を積極的に推進しています。
スペースデザインユニットでは、2025年度にスペースデザイン人材を120名に拡大することを目標に、多様な物件への高品質な空間創造に関するソリューション提案ができる体制の構築を進めています。
空間総合提案を支えるプロダクトの強化を推進
市場起点の顧客ニーズに応じた機能性商品や低環境負荷商品の拡充に加え、外部・海外デザイナーとの取り組みも交えながら、デザイン・ブランディング力の強化に取り組んでいます。
その取り組みの一環として、イギリスの老舗インテリアメーカーSanderson Design Groupと共同で開発したライセンスブランド「MORRIS CHRONICLES」を新たに発売したほか、リサイクル材を利用した壁紙「MEGUReWALL(メグリウォール)」が、世界的に権威のあるデザイン賞の一つ「iFデザインアワード 2024」を受賞しました。また、サンゲツ単体のみならず、海外グループ会社や製造を担うクレアネイトと連携して商品開発を行うなど、グループ間協業によるデザイン開発にも取り組んでいます。
ロジスティクス部門の人員強化、配送品質・安全の向上
物流機能を拡大させるとともに、配送品質および安全性の向上に資する取り組みを実行しています。その取り組みの一環として、キャリア採用を含むロジスティクス人材の強化を行い、適切な労務管理の徹底や統括部門への安全管理担当の設置等を進め、組織力の強化を進めています。
また、ラストワンマイルに対応する自社個配網であるサービスクルー便を拡充し、拠点間輸送体制の再構築、既存便の集約等による効率化も進め、配送におけるサービスレベルの向上を図っています。
総合内装施工力強化に向けたエンジニア人材の拡充
総合内装施工の強化に向けて、見積り・調達・施工管理を行うエンジニア人材の拡充を進めており、2023年度までに12名を採用しました。2025年度にはこれを25名にまで拡充する計画であり、安全管理や法規制への対応基盤を構築し、デザイン力・ソリューション力を強化します。
中期経営計画(2020-2022)【D.C. 2022】
(1.91MB)中期経営計画 (2017-2019) 「PLG 2019」
(1.8MB)中期経営計画 Next Stage Plan G
(1.5MB)関連リンク