人的資本の強化

人的資本の強化

人的資本の強化に関する考え方

サンゲツグループは、持続的な企業価値向上のための重要施策として「人的資本の強化」を掲げており、積極的かつ計画的に投資を進めています。当社が推進する「人的資本の強化」は、「社員の幸せ」と「会社の成長」の相互作用によって、持続的成長力のある企業にしていくことを目的としています。
この相互作用を実現するための土台となるのは、「社員一人ひとりの成長意欲」です。人的資本強化においては、キャリア採用の拡大とともに、社員自らが成長しようとする意欲を「成長・活躍支援プログラム」や「能力を発揮できる環境整備」により支え、個と組織の力の最大化を図ります。

全体像概念図

人的資本の強化に関する考え方

人材育成方針

自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する

  • 社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する
  • 昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う
  • 計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う

人的資本の強化に関する目標・実績

人的資本投資額

サンゲツ単体

2023年度 実績 2.3億円
2025年度 目標 7億円
(2023-2025年度の3年間合計)

人的資本投資額推移

人的資本投資額推移

キャリア採用者数

サンゲツ単体

2023年度 実績 49名
2025年度 目標 60〜80名
(2023-2025年度の3年間合計)

キャリア採用者数

キャリア採用者数

教育・研修の拡充

教育・研修の拡充については、ビジネススキルや事業構築力・組織マネジメント力の強化を目的とした階層別研修のほか、デジタル人材育成、キャリアデザイン、職種別専門性強化などテーマに応じた研修を用意し、社員の成長意欲を高めるサポートをしています。
2023年度からは、経営人材・次世代リーダー育成に向けた選抜研修、異業種交流の機会を大幅に増加させました。また、社員と特別嘱託社員などを対象に、社員の自律的な学習を支援することを目的としたオンライン学習ツール「Udemy Business」を導入し、中期経営計画に掲げる人材活躍支援と専門性・事業構築力強化のための社員のリスキリングを促進させています。
また、教育研修による個々人の能力向上に加え、社員の意欲を高め、キャリアオーナーシップを醸成するための支援も進めています。2023年度は所属以外の部署を経験する「社内インターン」を実施し、約70名が参加しました。キャリア目標やその実現に向けて必要な能力、課題について考える機会を積極的に設けています。

教育体系図

教育体系図

VOICE

関東ビジネスユニット
コントラクト一課
鹿毛 直樹

社内インターンに参加して

社内インターンに参加した目的は、サンゲツでのキャリアビジョンを描く中での自らの選択肢を拡げることでした。参加したDX推進室では、業務内容を理解するだけでなく、職場環境や関連部署とのつながりも知ることができ、社内外含む業務領域の広さに驚きました。今後のキャリアプランの参考となっただけでなく、現職での業務の振り返りや改善点、新たな発想等、気づきを生む機会にもつながったと感じています。

人事制度改革

当社では「社員が経営を担う事業基盤の整備」を重要施策の一つとして人事制度改革を進めており、2022年4月には新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度では、管理職に対する任用を従来の「能力等級×役職」から「職務に対応するグレード制」へと変更することで、職務の目的・成果に応じた報酬体系を明確にしました。
さらに、組織運営能力や経営力に特化した「マネジメント系」と高度専門的な能力を発揮する「プロ系」の2系統の職務グレードとすることで、キャリアの幅を広げ、専門人材の育成や強化、採用に備えます。
新たな制度は「職務型」の人事制度ですが、いわゆるステレオタイプのジョブ型とは異なります。新たな制度における「職務とそのグレード」は、時代に合ったもの、より競争力のある仕事・職務へと臨機応変に変えていく必要があり、基本的な部分はありつつも、常に変化していくものとしています。この新たな人事制度を活用し、さらに積極的な人材登用の機会を創出していきます。
また、報酬制度については2023年度には大卒初任給の3.5万引上げをはじめとした全体のベースアップを実施しました。
2024年度には大卒初任給を更に1.5万円引上げ、在籍社員にはグレード毎にメリハリをつけながらベースアップを行っており、市況の変化や役割に見合った処遇の実現に向けて、常に見直し・改善を進めています。

職務グレード・職能等級制度の全体像

職務グレード・職能等級制度の全体像

キャリア採用の拡大

当社グループでは、中期経営計画【BX 2025】に掲げる「BX:Business Transformation」を実現するために高い専門能力を持つ人材が不可欠と考えており、2023年度から3年間の合計で60名〜80名のキャリア採用を目標にしています。
専門能力には、積極的に取り入れるべき社外の知見と、当社グループでの長い経験によって培われる業界や商流、商品知識といった能力の2種類があります。スペースクリエーション企業を実現するためには、どちらも必要不可欠な能力であり、外部人材と既存人材の両面を高度化し、活躍の支援を行うことで新たな能力や企業風土を社内に育んでいきたいと考えています。

部門別キャリア採用割合

部門別キャリア採用割合

※対象:2020年度以降に入社した全キャリア採用社員

社員のエンゲージメントの向上

きめ細やかな人材マネジメントの実現

「人材価値の向上」を推し進める上で、価値観の共有や人事制度の刷新、キャリア採用等の施策を実施するだけにとどまらず、これらの施策が機能し、社員一人ひとりが高い意欲を持って、能力を最大限発揮できる環境を整備することが重要となります。そのため、教育・研修、配置、異動等のキャリアデザイン全般について、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当者を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置を実施しています。2023年度は、社員の半数にあたる約600名の社員との面談を実施し、キャリアデザインや業務上の悩みなど、率直な意見をヒアリングしました。
今後も、会社が一人ひとりの社員と向き合い理解し、適切な人事異動や組織風土改革につなげることで、「人材価値の向上」を推進します。

人事担当者の役割

  1. 社員一人一人の理解
  2. キャリアデザインをサポート
  3. 適切な人材配置・異動検討
  4. 組織開発・マネジメント力強化
  5. 組織風土改革・意識改革

各部門・ユニットの状況や課題感、取り組み内容の共有会を実施

エンゲージメントサーベイ

企業の成長においては、社員が会社の理念・経営方針に共感し、エンゲージメント高く働くことが必要不可欠です。
当社では、「社員エンゲージメント」を経営における重点項目と位置付け、全社員を対象とした社員意識調査を実施し、組織・制度・風土の改革に反映しています。
2023年度からは、集計・分析の迅速化、他社比較による自社状況の把握、組織単位における改善プランの実行を目的に、新たなエンゲージメントサーベイを導入しました。サーベイ結果については、監査等委員、経営層への共有のほか、ポータルサイトにて全社員に共有しています。また、分析により明確になった部門別課題については、担当役員・ゼネラルマネージャーを中心に、人事部・組織別人事担当者が各組織をサポートしながらアクションプランの策定・実行を行い、エンゲージメントの向上に活かしています。

エンゲージメントサーベイの活用フロー図

エンゲージメントサーベイの活用フロー図

定量目標

年度

偏差値

実績

2023年
12月

53.77
(BB)

目標

2025年度

58.0
(A)

※株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」によるスコア