世界的に人口が増加し、経済発展や利便性の追求により、資源消費のスピードが上がっています。資源枯渇リスクを軽減するためには、原材料使用の削減は急務であり、事業活動での資源調達・廃棄における環境負荷を抑えるため、再生材の利用促進や、リサイクルしやすい環境配慮設計した商品の拡大により、持続可能な資源循環を目指します。
年度 |
廃棄物総廃棄量削減・リサイクル率の向上(単体) |
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廃棄物総廃棄量削減※1 |
リサイクル率の向上※2 |
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目標 |
実績 |
目標 |
実績 |
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2020年度 |
2%減 |
10.9%増 |
81% |
81.5% |
2021年度 |
3%減 |
15.9%増 |
82% |
85% |
2022年度 |
4%減 |
9.6%増 |
83% |
86.4% |
※1.2 目標・実績は2018年度比です。
年度 |
廃棄物総廃棄量削減・リサイクル率の向上(連結) |
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廃棄物総廃棄量削減(単純焼却・埋立処理)※3 |
リサイクル率の向上(有効利用率)※4 |
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目標 |
実績 |
目標 |
実績 |
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2023年度 |
2%減 |
86%減 |
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2025年度 |
4%減 |
90%以上減 |
※3.4 目標・実績は2021年度比です。
事業活動の上で発生する不要なモノのなかには、再使用、再利用できるものが多くあり、捨てれば廃棄物となりますが、再使用、再利用すれば地球から資源を削る量は少なくなっていきます。これまでも廃棄物削減、リサイクル活動を進めていましたが、2016年度環境保全分科会にて、考え方を整理して不要となるモノを種類別に特定させ、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の考えに基づき、廃棄物の削減、処理方法の改善など、資源循環を推進しています。
買取りリユース・リサイクルされるモノを有価物、廃棄物としてサーマル、マテリアル、ケミカルリサイクル処理されるモノを再資源化物、どうしてもリサイクルできず単純焼却、埋立するモノを単純処分廃棄物と呼び、リサイクル率※の向上を目指しています。
※リサイクル率:(再資源化物+有価物)/(再資源化物+単純処分廃棄物+有価物)
TOPICS
東北ロジスティクスセンターでは、業務から発生する産業廃棄物の分別・見える化及び廃棄物の有価売却化に取り組みました。見える化では、地図や番号や写真を用いて廃棄物の種類ごとの分別方法を明確にすることで、表示に従った分別の徹底とともに、廃棄物の有価売却化も進みました。
このような取り組みの結果、2019年度は前年比27トンの廃棄物削減、処理費用は約140万円の削減を実現しました。
ロジセンターのユニフォームは2017年度のリニューアル以降、環境負荷面を考慮し、リサイクル素材を選定しています。
また、古いユニフォームは回収しそれぞれの素材に適した再資源化を行っています。
当社は壁紙や床材・ファブリック等約12,000点の内装材を企画・販売していますが、そのビジネスモデルの中核となるのが、約30種類の見本帳であり、各見本帳は、おおよそ2~3年のサイクルで改訂しています。使用後の見本帳に関しては、現状、自社回収できているものが全体の約10%程度であり、大部分は産業廃棄物として処理されています。
また、見本帳自体が、台紙(紙素材)、サンプルチップ(塩化ビニル樹脂・化学繊維)など、複数の素材で構成されていることから、資源として再生するマテリアルリサイクル(※1) での対応ができず、最終的には、単純埋立処理やサーマル処理に留まってしまうという課題がありました。
これらの環境課題に取り組み、より環境への負荷を低減するマテリアルリサイクルを中心とした資源循環を行うことを目的に、2021年3月、本社に隣接する旧配送センター内に「sangetsu 見本帳リサイクルセンター」を開設しました。
※1:マテリアルリサイクル:廃棄物を再び同じ製品、または別の製品の材料として再利用するリサイクル手法
本社内
見本帳リサイクルセンター
分解作業の様子
分解した現品のチップ
sangetsu 見本帳リサイクルセンターでは、顧客より回収した見本帳を、リサイクルを行うための前工程として、表紙、台紙、サンプルチップに分解し、素材ごとに分別します。分別された素材は、その後、リサイクル専門業者にて、再生塩ビ、再生プラ、再生パルプ、セメント材料へとマテリアルリサイクルされます。2022年度は本社を構える愛知県を中心に、年間77,262冊の見本帳をリサイクルしました。
2023年度以降は対象地域を拡大し、見本帳のリサイクル処理キャパシティの拡大とともに、デジタル見本帳の活用による見本帳発刊総数の削減を進めることで一層の環境負荷低減に取り組みます。
同センターにおける見本帳リサイクルの作業スタッフには、障がい者を雇用することで、障がい者の活躍を支援しています。当社の2022年度の障がい者雇用率は3.9%と、民間企業の法定基準2.3%を上回っており、2023年度には、4.0%を目標に掲げています。障がい者の活躍支援については、雇用率の向上とあわせ、一人ひとりが真に自立し、心身ともに豊かに生活できるよう、支援していきます。
当社では、環境保全への取り組みの一環として2000年10月より「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」を進めています。下記のような専用タグラベルが付いているカーテンについては、当社が責任を持って回収し、資源循環の観点から、
回収したカーテンは素材、加⼯状態の違いによってそのリサイクル処理法が異なります。当社では、再資源化するケミカルリサイクル、固形燃料など熱源にするサーマルリサイクルに分類しています。
【カーテンリサイクル累計実績】(2023年9月時点)
・ケミカルリサイクル 3,505kg
・サーマルリサイクル 14,695kg
・マテリアルリサイクル 1,500kg
※出荷ロスなど端材のリサイクルも含みます。
※回収したカーテンは商品のリサイクル方法ごとに分別したうえで、リサイクルを行っています。
※リサイクル活用法については、技術革新やその他の理由で変更になる場合があります。
当社のカーペットタイルは、廃カーペットタイルを特殊技術によりリサイクルした再資源原料をバッキング層に使用した環境配慮商品です。
また、カーペットタイル(NT double eco、NT 700 Fiber Eco)は、表⾯のパイルに漁網やカーペット廃材などをリサイクルした100%リサイクル⽷「エコニール(R)」を採⽤しています。
当社商品は、新しい見本帳に改訂されると、その新見本帳に収録されなかった従来の商品は、廃番商品となり、市場の流通に乗らないデッドストックとなってしまいます。
また、カットロスなどで発生する端材は、素材としてはしっかりしているにもかかわらず、インテリア商材として販売できるサイズに満たないなどの事情により、廃棄処分(多くはマテリアルリサイクル)しています。
一方で、そういった「もったいない」素材を有効活用する取り組みを地域の企業とコラボレーションして進めています。
捨てる廃材をバッグヘ~アップサイクル~
工場から出る端材や廃棄物を活用したエコプロダクツの企画・販売を手掛ける株式会社ウェイストボックス(名古屋市中区)の企画により、廃棄していた重歩行フロアやクッションフロアをバッグや雑貨の材料として活用しています。
エコブランドショップ「MODECO(名古屋市中区)」にて、アイテムの企画・製造・販売を行っています。
ショールーム展示品や廃棄商品については、保育園や学童保育所、社会活動を行うNPOに寄付しています。
これらのカーテン生地は、従来は廃棄処理されていたものですが、各施設では備品や玩具への装飾、 園児・児童達の創作品として利用されています。
また、災害時の避難活動を支援するNPOでは間仕切りのカーテンとして有効活用されています。
関連リンク