資源循環

資源循環

資源循環に関する考え方

世界的に人⼝増加を背景とした経済発展や利便性の追求により、資源消費のスピードが加速する中、資源枯渇リスクを軽減するためには、資源循環の取り組みが重要です。当社は、これまで取り組んできた廃棄物・排出物の最⼩化を継続しつつ、再生材の利⽤促進や、リサイルしやすい低環境負荷商品の拡⼤といった資源循環の取り組みを強化しています。
当社商品の主素材の一つであるポリ塩化ビニル(塩ビ)は、優れた加⼯性・耐久性・経済性を併せ持つ素材として、建築業界において広く使⽤されていますが、複合的な素材として活⽤されていることによって、リサイクルが困難な状況となっています。塩ビのリサイクル化は当社だけでなく業界全体の課題であり、素材メーカーやリサイクル業者と連携した取り組みを推進していきます。

資源循環に関する目標・実績

総廃棄物量削減

サンゲツ単体総廃棄物量削減計画

サンゲツ単体総廃棄物量削減計画

サンゲツ単体
基準年度2021年度:4,283t

2023年度 目標 4,197t 2021年度⽐
2%削減
実績 4,021t 2021年度⽐
6%削減
2025年度 目標 4,112t 2021年度⽐
4%削減

リサイクル率

サンゲツ単体リサイクル率向上計画

サンゲツ単体リサイクル率向上計画

サンゲツ単体

2023年度 目標 86%
実績 74.5%
2025年度 目標 90%以上

リサイクルシステムの構築

見本帳リサイクル

使用済み見本帳のリサイクル冊数
(2023年度)

使用済み見本帳のリサイクル冊数(2023年度)

当社⾒本帳は、約12,000点にもおよぶ多彩な商品をお客さまに実感してもらうための重要なビジネスツールである一方、年間で約150万冊発刊されており、使⽤後の⾒本帳はさまざまな場所で、リサイクルされずに廃棄されています。この環境負荷に対する課題解決として、⾒本帳のリサイクルを⾏っています。2021年3⽉に設置した「⾒本帳リサイクルセンター」では、さまざまな素材が混在している当社⾒本帳を分別し、マテリアルリサイクルとして資源循環を⾏っています。分解作業の効率化により、毎年徐々にリサイクル冊数を増やしており、2023年度のリサイクル冊数は前年の約7.7万冊から約12万冊に増加しました。
また、同センターにおける⾒本帳リサイクルの作業スタッフには、障がい者を雇⽤することで、障がい者の活躍を支援しています。
2025年の目標冊数である30万冊達成に向け、さらなる作業の効率化や紙・塩ビのマテリアルリサイクルに向けた関連事業者との連携を進めていきます。

本社内 見本帳リサイクルセンター

本社内
見本帳リサイクルセンター

分解作業の様子

分解作業の様子

分解した現品のチップ

分解した現品のチップ

見本帳リサイクルを促進し、環境負荷を低減

見本帳リサイクルフロー図

見本帳リサイクルフロー図

見本帳リサイクルセンターでは、顧客より回収した見本帳を、リサイクルを行うための前工程として、表紙、台紙、サンプルチップに分解し、素材ごとに分別します。分別された素材は、その後、リサイクル専門業者にて、再生塩ビ、再生紙、再生プラスチック、セメント材料へとマテリアルリサイクルされます。2023年度は本社を構える愛知県を中心に、年間119,604冊の見本帳をリサイクルしました。
2023年度以降は対象地域を拡大し、見本帳のリサイクル処理キャパシティの拡大とともに、デジタル見本帳の活用による見本帳発刊総数の削減を進めることで一層の環境負荷低減に取り組みます。

カーテン・リサイクル

当社では、環境保全への取り組みの一環として2000年10月より「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」を進めています。下記のような専用タグラベルが付いているカーテンについては、当社が責任を持って回収し、資源循環の観点から、再び原料として商品に生まれ変わらせます。

表面(例)

裏面(例)

回収の手順

回収の手順

回収したカーテンは素材、加⼯状態の違いによってそのリサイクル処理法が異なります。当社では、再資源化するケミカルリサイクル、固形燃料など熱源にするサーマルリサイクルに分類しています。

カーテンリサイクルの申込フォームはこちら

リサイクル活用法

【カーテンリサイクル累計実績】(2024年9⽉時点)
・ケミカルリサイクル     4,355kg
・サーマルリサイクル   17,495kg
・マテリアルリサイクル    2,100kg

※出荷ロスなど端材のリサイクルも含みます。
※回収したカーテンは商品のリサイクル方法ごとに分別したうえで、リサイクルを行っています。
※リサイクル活用法については、技術革新やその他の理由で変更になる場合があります。

TOPICS

ポリエステル繊維リサイクル培地「TUTTI®」とコラボレーション

当社は、2023年3⽉に東京⽇⽐⾕に開設したオフィス「PARCs」の植栽エリアに、当社が回収したカーテン生地をアップサイクルして生まれた土「TUTTI (トゥッティ)」を採⽤しました。「TUTTI」とは、ポリエステル繊維を主体に人⼯ゼオライトなどを特殊配合した“繊維でできた土”です。従来の培養土と同じように、野菜や花、苗⽊などを育てることができます。軽さや保⽔性・通気性に優れ、⻑期間の利⽤が可能なほか、⼿が汚れにくく室内でも取り扱いやすいといった特⻑があります。本取り組みでは、スタイレム瀧定⼤阪株式会社と協働し、「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」により回収されたポリエステル製のカーテン生地を原材料の約20%に使⽤しています。カーテン生地を使⽤した同製品の製造は初めてであり、不要になったものを価値ある製品に再生する、アップサイクルとしての可能性を持つ試みです。

※「TUTTI」はスタイレム瀧定⼤阪株式会社が展開するポリエステル繊維リサイクル培地の登録商標です。

使用済みカーテンが「TUTTI」に生まれ変わるまで

「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」により回収されたカーテン カーテンを粉砕し、人工ゼオライトなどと混錬 完成したオリジナル「TUTTI」
PARCsに施した「TUTTI」

カーペットタイル・リサイクル

当社のカーペットタイルは、廃カーペットタイルを特殊技術によりリサイクルした再資源原料をバッキング層に使用した環境配慮商品です。
また、カーペットタイル(Double Eco + Wellness)は、表⾯のパイルと裏⾯のバッキング材にダブルでエコ素材を使⽤することで、環境負荷の低減に貢献しています。パイルには漁網やカーペット廃材などをリサイクルした100%リサイクル⽷「エコニール(R)」を採⽤し、裏⾯のバッキング材には、使⽤済カーペットタイルの廃材を再利⽤した「リサイクルバッキング」を⽤いることで、CO2排出量を当社従来品⽐で最⼤約61%削減します。また、再⽣材⽐率は最⼤約49%を実現しています。

カーペットタイル・リサイクルの仕組み

カーペットタイル・リサイクルの仕組み

展示品や廃棄商品の有効活用

ショールーム展示品や廃棄商品については、保育園や学童保育所、社会活動を行うNPOに寄付しています。
これらのカーテン生地は、従来は廃棄処理されていたものですが、各施設では備品や玩具への装飾、 園児・児童達の創作品として利用されています。
また、災害時の避難活動を支援するNPOでは間仕切りのカーテンとして有効活用されています。