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サンゲツ
Project Report
ダイビル株式会社/株式会社日建設計

※本ページの掲載情報は取材当時のものです。

現代に活きるオフィスビル再生

ダイビル本館の高層部に、当社の粘着剤付化粧フィルム(リアテック)を採用いただきました。低層部で使われている素材を忠実に再現するため、特注デザインを開発。ダイビル本館のコンセプトと共に今回ご採用の経緯について、 施主:ダイビル様と設計:日建設計様にお話を伺いました。

エレベーターホール、共用廊下の壁面に採用された粘着剤付化粧フィルム(リアテック)ビニル壁紙よりも傷や汚れに強いことが決め手に。

ダイビル株式会社 建設・技術統括部技術課
上田 貴幸様 (うえだ たかゆき)

「旧意匠を再現」しグレードの高いオフィス空間に

このダイビル本館は、1925年に竣工した旧ダイビル本館の建替プロジェクトです。旧ビルの特徴的な外観や内装を可能な限り再現することを目指し、調査・検討を重ねて現在の形に至りました。低層部は、外装に旧ビルのスクラッチ煉瓦や黄竜山石の彫刻を再利用することにより、旧ダイビル本館の意匠を復元しています。建物内部でも、エントランスロビーに当時のタイルを再利用するなど、イメージの再現を図っています。また、エントランスを抜けた先には、ガラス張りで透明感のある、「新しい意匠」へと場面転換し、新旧の対比を意識しました。そしてこの重厚感ある低層部のイメージを高層部のオフィスゾーンへとどのように繋げていくか、日建設計様に様々な検討をしていただきました。

耐久性・メンテナンス性を実感

ダイビルとしては、質の高い快適な空間をご提供し、入居いただく皆さまにご満足いただくことが事業の根幹です。内装もその思想と調和するところに重点を置いていました。
今回採用したサンゲツさんの粘着剤付化粧フィルム(リアテック)を評価しているのは、意匠面に加え、その機能面です。一般的なビニル壁紙と比べて表面の強度が強く、傷が付きにくいので安心して使えること。また、表面に加工された梨地のクリアフィルムによって、指紋や汚れが付きにくく、もし汚れが付いても、拭き取ったり、貼り替えできる点もメンテナンス性の高さを感じています。

一つの世界観を作る素材選び高層部で粘着剤付化粧フィルム(リアテック)を採用

由緒あるダイビルを設計するにあたり、新しいデザインに切り替わっても、建物全体が素材として一つの世界感を要していること、を重視しました。そのため、古い意匠に馴染む素材を、と低層部1階の壁面にはコールテン鋼(耐候性鋼板)、天井には電解着色バイブレーション仕上げのアルミパネルを採用しました。そして高層部においては、1階の意匠を受け継いだうえで、不燃条件や耐久性を考慮した材料選びをすることになりました。サンゲツさんの粘着剤付化粧フィルム(リアテック)は、先に竣工の中之島ダイビルの廊下に採用されたことから、当初から検討候補に挙がっていました。また、経験的に目地を設けて硬質な下地に粘着剤付化粧フィルム(リアテック)を貼ればグレード感も演出できると確信していました。そこで、実際のコールテン鋼と並べても遜色の無い金属パネル調の特注デザインの開発をお願いしたのです。
この建物は外壁の重厚な燻調の茶色が基本的な色調。この重厚さを内部まで引き込みたかったので、その素材感や色にはこだわりました。輝度により見え方が変わるため、実際の照明や環境を想定して、何度も作り込んでいただきました。結果として、ダイビル様にも納得いただける空間を演出することができ、満足しています。 

株式会社日建設計 設計部門 設計部
中島 上様 (なかじま のぼる)

環境に合わせた使い勝手の良さ

懸念点の一つは、荷物を出し入れするエレベーターが、お客様の導線に面していることでした。そこで、人荷用エレベーター廻りは、台車などが当たっても傷や汚れに強い粘着剤付化粧フィルム(リアテック)を採用し、更に貼り替えを想定して、腰の高さの目地で貼り分けています。環境や用途に合った使い勝手の良さを感じています。

本物の素材を重視した独自の意匠

ダイビルは、他のオフィスビルには無い「独自の意匠」へのこだわりがありましたから、一から作った素材が多く、壁材の粘着剤付化粧フィルム(リアテック)についても、意匠が決定する前から、1年以上かけて様々な試作を重ねました。最初はふすま紙を模した和風のデザインからスタートしましたが、次第に方向性が変わり、最終的には、素材感=金属的な表現を出すこととなりました。苦労を重ねた結果、高層階の共用部での採用に至り、低層階のグレードを上部にも引上げた、連続性あるダイビル本館の「世界感」を演出することができました。

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