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生物誕生以前に形成された岩石など、
遥か彼方の地球に想いを馳せて。

日本に存在するさまざまな種類の岩石をグラフィカルにデザインした壁紙。普段は国立科学博物館の研究所にある収蔵庫に保管されていて、なかなか見ることができない貴重な石をほぼ原寸大でレイアウトしています。明治以降から収集され、中には生物もまだ誕生しない30億年以上前という想像を絶する昔にできた岩石も! 壁紙にはそれぞれ名前や採取された場所が記載されているので、どの地区にどんな石があるのか、その色や形などそれぞれの個性を比較しつつ、遥か彼方からの時間の経過を感じてみては。

遊び心に溢れる落ち着いた大人の寝室を演出

遠い昔に形成されたさまざまな色や形の岩石たちを散りばめた壁紙はグラフィカルにレイアウトすることでポップ&モダンな印象に。ここではベッドルームのアクセントクロスとしての使い方をご提案。木の質感で優しい雰囲気のインテリアや自然を想起させる植物、岩石と同系色のベッドカバーと好相性で、遊び心があるシックな大人の寝室にベストマッチ。

ROCKS
RE53459
岩石
不燃 防火種別1-4・防かび
標準価格: AA 1,090円/㎡
92cm 123.7cm  ︎92cm
さらに詳しい商品情報はこちら

壁紙 監修: 国立科学博物館
佐野 貴司
先生

地学研究部、鉱物科学研究グループに所属。「超巨大火山のマグマ成因」と「海溝から沈み込んだ水が火山として噴火するメカニズムの解明」を主に研究する岩石の専門家。「溶岩や火山灰の記載や化学分析を行い、地下のマグマ活動を調べています」。
学位:博士(理学)
研究分野:火山および火山岩
TALK ROOM
with Dr. TAKASHI SANO
ー さまざまな形の岩石を散りばめたグラフィカルな壁紙ができあがりました。この岩石はどういうものを集めたものでしょうか?
全て日本にある岩石に絞ってみました。岩石は3つの種類に分けられます。まず海や湖の底で泥などが溜まり、長い年月をかけて固まった「珪藻土」などの「堆積岩」。マグマが固まって形成される「はんれい岩」などの「火成岩」。そして、地下深いところでもともと堆積岩だったものに圧力がかかって違う石となった「変成岩」です。この3つが全部入るようにチョイスしてみました。国立科学博物館にある実際の岩石のほぼ原寸大のデザインになっています。
ー 岩石とひとことで言ってもそれぞれ違った個性のものが集合しているのですね。これらの岩石は普段、どのように保管されているのでしょうか?
筑波の研究所に収蔵庫があり、今後の研究に役立てたり展示に使ったりする為に毎年1000個ぐらいずつ名前をつけて収蔵していってるんですね。壁紙に選んだのは明治時代くらいからずっと保管されているものや見栄えの良いものです。一番古いのは明治7年に採取した岩石で、あとは私が採取した昭和や平成のものなどが載っています。通常、一般の人は見られない岩石となっています。
ー そのような研究用に保管されている岩石たちを使った壁紙を見て、どのような感想でしょうか?
国立科学博物館でこれらとは違う岩石を使った展示を頻繁にやっているのですが、どうしてもお堅い印象になってしまいます。その反面この壁紙はポップな感じで、良い意味で博物館らしくなく、一般の人が親しみを持てるデザインになっていると思います。僕が個人的に貼るなら寝室に貼りたいです。朝起きた時にパッと見られるといいですね。仕事が嫌いな岩石学者だったらちょっと大変でしょうけど、僕は結構好きなので、毎日見てても飽きないですね。
ー 岩石と一緒に名称と採石地点が書かれています。採石地点は町や市といったかなり詳しいところまで書いてありますね。
本来はもっと詳しいところまでデータがあります。ここにあるもので遠方のものは小笠原で、私が採取したものです。人が少しだけ住んでいる島があり、そこから漁船で近くの無人島へ行き、採ってきました。名前は誰も住んでいない島にちなんで「無人岩」です。小笠原で初めて見つかった石なので国際的にも「ムニンガン」と呼ばれています。日本にちなんだ名称の石はなかなかないのですが、これは代表的なものになります。
ー 無人島まで……岩石を採りにいくのはかなり大変そうですね……
はい、苦労しました(笑)。小笠原全体が世界遺産になりましたので申請が大変でした。まず環境省にお伺いをたてて次に林にも入るので林野庁にも許可を取り、申請に何ヶ月もかかるんですよ。許可を得た後に小笠原に向かって、そこから漁船をチャーターしたのですが、海が荒れていると出発できないので天候が良い日を待ってやっと採れました。
ー なるほど(笑)。それにしても、こうやって岩石を一斉に並べるとひとつずつ個性が違うのですね。
違うんですよね。ひとつずつ年代も持っている情報も違いますしね。変成岩だったらもともとどんな石だったのかとか、温度は何度くらいで地球のどのくらいの深さで、どのくらいの圧力がかかって変形したのかなど、ひとつの石を調べるだけで色々わかってくるんですよ。岩石をスライスして、特殊な顕微鏡で薄くしたのを見るんです。そして化学分析をして成分を調べていき、その石がどういうものだったのかを探っていきます。これが一番の仕事で、調べた情報は国立科学博物館に登録します。国立科学博物館が存在する限りはずっと残ると思いますので、それは名誉なことだなと思っています。
ー 後世の人々にも伝えていくということですね。では先生にとって岩石の魅力とは何でしょうか?
見た目はただの石なんですが、化学分析するといろいろな情報が詰まっていてどんな石かわかってくるんです。例えば4000万年くらい前に噴火した石だとか。日本列島は地震が多くて変動が多いところですので、火山の噴火によって地下の石が溶けるとマグマになり、またそれが固まると新しい石ができます。それを繰り返していますので、日本列島には色々な年代の石があります。日本は石の種類の多さでは世界でも指折りなんです。
ー へえ。4000万年前の石とは想像を絶しますね。この壁紙の中の石で最も古いのはどれでしょうか?
「片麻岩(へんまがん)」ですかね。これは富山で採取されたもので、富山や岐阜、飛騨あたりにもっとも古い石があるのですが、これは30億年前のものですね。バクテリアなど微生物はいたと思いますが、まだ生物がいない時代です。
ー 30億年前!? そんな遥か昔からある石と思うと興味深いですね。ではこの壁紙を作る意義は何だと思われますか?
やはり将来を担う子どもたちに見てもらいたいです。石は大抵汚いのでそれを見て興味を持つってことはなかなかないと思うんですよ。僕自身も高校生の時は全然興味なくて。大学で石を扱うようになってから興味を持ち始めましたが、この壁紙があれば幼稚園児でも石に興味を持つんじゃないかと思うんですよね。早めに興味を持つということは絶対に良いことですので、石について調べてみたいという子が出てきたらいいなと思っています。全国のさまざまなところから採ってきていますので、ご自宅に近い地名のものなら実際に近所で探せると思います。
ー ありがとうございます。では先生の今後の目標は何でしょうか?
過去に地球上の生物の多くを絶滅させた噴火が何度か起こっています。どこでいつ起こったのかいまだに全部はわかっていないんですよ。なので私は海の底にある火山を調べています。以前太平洋の日本とハワイの間くらいにある海底の火山の調査でドリルで地面に穴を開けて岩石を採って調べました。国際的な共同研究として関係者27名で2ヶ月間船の上で寝泊りをしながら採取しましたね。他にもインドやエチオピアに大噴火した火山があるので、それも調べています。
ー 生命をほぼ絶滅させた噴火が何度もあったのですか!?
そうなんです。それまでの研究では、この太平洋の火山は1億4500万年前に噴火したと思っていたのですが、石を調べたらもっと新しいのもあったりと、逆に謎が増えてしまいました。それはよくある話ですね。人類の誕生はざっくり200万年前で、1億4500万年前は恐竜がたくさんいた時代です。恐竜はほとんどが陸の生物なので、その噴火では完全には絶滅しなかったということです。想像を絶するような昔の話ですが、そんな大噴火があったものを岩石を通して解明していきたいですね。もちろん、私が生きているうちには結果は出ないと思いますが、ちょっとでもわかればいいんです。自分が採ってきた石は国立科学博物館の倉庫に保管されるので、後世の後輩たちが引き継いで調べてくれればいいですね。
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