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世界各地に生息するさまざまな動物の剥製たち、
進化のワケを想像して。

国立科学博物館の展示でも迫力があり人気が高い動物の剥製。もともとはハワイ在住の世界的に有名なハンター、ワトソン・ヨシモト氏が子どもたちに大型野生動物のすばらしさを教えるために集めたコレクションでした。これはその動物の写真を使ってデザインした壁紙です。ヨーロッパバイソンやアフリカスイギュウといった世界各地に生息する大小さまざまな動物の剥製は、よく見るとツノの形や体色がさまざまで、その理由を考えてみるのも知的好奇心をくすぐります。中には絶滅危惧種など貴重なものも。

好きなものをとことん取り入れた
個性派ワークスペース

勇ましいツノがあるものや綺麗な模様があるものなど世界中の動物の剥製を使い、ズラっと整列させた壁紙。ここでは自分の趣味のものを集めたワークスペース的な場に、自分が好きな動物たちも取り入れた、興味をひかれるものに囲まれた心地よい空間をご提案。レトロな絵柄は、ヴィンテージ感がある木目やアイアン素材のインテリアと好相性。

BEASTS
RE53458
陸生哺乳類
不燃 防火種別1-4・防かび
標準価格: AA 1,090円/㎡
巾92cm  ︎124cm  横使い
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壁紙 監修: 国立科学博物館
川田 伸一郎
先生

動物研究部、脊椎動物研究グループに所属。陸上に生息する哺乳類の標本収集と管理を行いながら特にモグラ類の系統分類に関して形態学的分析と核型分析を中心とした研究を行っている。その他「哺乳類の歯式進化に関する研究」や「皇居に生息するタヌキの生態調査」の研究成果や動物学史についても興味を持つ。
学位:博士(農学)
研究分野:哺乳類分類学・遺伝学・生態学
TALK ROOM
with Dr. Shin-ichiro Kawada
ー 国立科学博物館でも人気がある動物の剥製をずらっと並べた壁紙ができあがりました。これはどのような剥製でしょうか?
国立科学博物館で主に展示用として保管している剥製です。ハワイのホノルル市にお住まいだった日系二世のワトソン・ヨシモトさんという世界的にも有名なハンターの方が、生涯かけて集めた剥製コレクションの一部を受け継いだものです。おそらくもともとはご自身が好きで集めておられたものだと思いますが、ハワイという島国だったため、子どもたちに見せながら現地で見た姿なども説明し啓蒙普及をしたと聞いています。我々も同じように、国立科学博物館で展示をし、来館された方の動物に関する知識を広げていくという役割を果たしています。この壁紙はその一部を使ってデザインされたものですが、大小いろいろな動物がいて、非常に興味深いですね。僕、自慢ですが全部名前言えます。みなさんもチャレンジしてみてください(笑)。
ー 名前を当てるの難しいですね……
例えばこれはヨーロッパバイソン。もしアメリカバイソンと言ったら間違いですね。ハイエナとかはわかりますね。結構難しいのはこのへんのツノがあるやつで、ブッシュバックって言います。あとはオグロヌー、ヌーはわかるかな。僕がわからないものが選ばれなくてよかった(笑)。僕が飼育したい動物No. 1はスイギュウだってよく言ってるんですけど、ここにあるのはアフリカスイギュウですね。アフリカスイギュウはちょっとおっかなくて飼うのは無理ですね。アジアのスイギュウはとっても優しい生き物で綺麗な目をしているので大好きなんですけど、アフリカスイギュウはちょっと怖いかな。この中で好きなのって言ったらやっぱりジャイアントエランドかなあ。やっぱりこのツノって魅力的ですよね。綺麗な生き物だと思います。シフゾウも結構ツノが変わってて面白いですね。ツノからちょこちょこって小さいツノが出ているのが特徴です。
ー 実際できあがったものを見られての感想はいかがでしょう?
なかなか良い感じに収まっていますよね。ちょっと飛び出したアクセントがあるのもなかなか良いですし、よく上手にアソートしたなあという風に思います。まずは哺乳類の姿というのを純粋に楽しんでいただけたらと思います。例えば種によってツノの形や体の模様のパターンが決まっているんですよ。「なんでそんな形や色をしているのかな」と想像するのが楽しいですね。本やネットで調べる前に、「なんでだろう」と不思議に思うのが楽しみのひとつだと思います。何か自然界で役立つような役割があるからその形が残ってきたっていうのがチャールズ・ダーウィンさんが言っている進化の学説ですから、きっとそれぞれに意味があるんでしょうね。不思議だね。
ー 不思議ですね。ちなみに先生はモグラの研究をされているとお聞きしました。
はい、意外とモグラって何種類いるかとかよくわかっていない生き物なんです。特に東南アジアに生息するものでそれが著しいですね。日本では大体わかっていますが、それでもまだここのモグラとここのモグラが一緒かどうかというのは検討しているところなんですよ。そのためには動物の標本が我々には必要になってくるので、野外でモグラを捕まえて標本を作り、骨を調べたり毛皮の状態を調べたりしながら色々な地域のモグラを比較するっていう研究をやっています。
ー なるほど、現代でも謎が多いのですね。では先生が生き物を好きになられたきっかけは何でしょうか?
物心ついた頃には虫ばかり捕まえていました。哺乳類の研究をするきっかけになったのは、大学で先生が昆虫の研究をさせてくれなかったからです(笑)。「君は哺乳類をやらないかい」と言われて山にネズミをとりに行ったらそこに小さなモグラがいたんです。ヒミズと言いますが、その姿を見た時に「なんという面白い生き物なんだ」と思いまして、これは昆虫より面白いに違いないと。そこからモグラや哺乳類との付き合いが始まった感じで、かれこれもう26年になります。
ー では長く研究されていて哺乳類の魅力とは何だと思われますか?
我々人間も哺乳類で近いんですよね。哺乳類の魅力はやっぱり賢いところでしょうか。脳がすごく発達しているんです。だからあまり人前に姿を現さないんですね。昆虫で言うとレアな虫みたいな感覚があります。なかなか見えないっていうのは興味の根本だと思いますよ。特にモグラは土の中にいて、そこにいるってわかっててもなかなか観察することはできないですよね。実際、生きて動いている姿を見たことのある人は少ないんじゃないでしょうか?
ー 確かに見たことないですね。
なかなか人前に出てこないですし、捕まえるのも割と難しいので、古くから色々研究されていますが、謎も多いです。特に繁殖はいまだに究極の謎ですね。どうやってオスとメスが出会って子供が生まれるのか本当にわかっていないんです。動物園などで繁殖シーンを観察できるものがほとんどだと思いますが、モグラはできないんです。誰もまだ成功していない。ちなみに、労力がかかるので今の僕には無理ですが、退職後に時間ができれば繁殖を観察するアイデアはあります。モグラも壁紙にして欲しかったのですが、小さすぎてボツになりました(笑)。
ー 確かに他の動物と並べると小さいです(笑)。では、この壁紙を作る意義は何だと思われますか?
子ども部屋に貼ってもらったりして「なんでこうなっているんだろう」と興味を持ってもらいたいですね。壁紙があることでそれについて考えるきっかけになります。大人でもさまざまな方がいるので、このデザインが欲しいという方もきっといると思いますし、この剥製の標本が役に立つならばぜひ協力したいと思いました。ここには絶滅に近い貴重な動物も含まれておりまして、例えばヨーロッパバイソンとシフゾウに関しては野生状態では100年以上前に絶滅しています。あとはサーバルやホッキョクグマは数が減っていて絶滅危惧種ですね。
ー では、最後に先生の目標を教えていただけますでしょうか?
国立科学博物館の哺乳類の剥製(標本)を10万点にすることです。僕がこの仕事を始めた頃は3万3000点くらいでしたが今は7万5000ほど。16年で4万点くらい増えていまして、目標までいけるかなと(笑)。日本の博物館は欧米に比べてまだまだ遅れていると言われています。哺乳類の標本蓄積の歴史は、日本ではせいぜい150年くらいです。欧米は300年ほどで例えばイギリスの自然史博物館では50万点以上あると思います。逆に研究の野望というのはあまりないですね。長年研究者をやっていると自分の研究のちっぽけさに段々気づいてくるんです。自分が研究のために標本を集めても論文はせいぜい頑張って年に3本くらいしか書けないんです。僕が一生かかっても100本くらいしか論文って書けないんですよ、恐らく。でも標本を集めて残しておけば、僕が死んだ後にもずっと使われ続けてどんどん研究業績というものが出ていきますので、本当に未知の可能性があるわけです。せっかく同じ時間を使うんだったら研究じゃなくて標本を作るのに使ったほうが絶対いいと僕は思いますね。
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