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SHITSURAHI haku 箔

箔が歩んだ、美しく輝く光の道

  • haku 箔
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受け継がれてきた技法を守りつつ、
新たな伝統を生み出す。

上質な空間には欠かせない日本の最高級素材である箔。和紙が「静」を魅力とするなら、箔はまさに「雅」。日本の伝統的な価値観である「ハレとケ」のハレを彩る素材です。風に乗るほど薄い箔を扱うのは、職人の高い技術力が必要となります。その技術の習得もさることながら、かつては屏風などで使われていた箔押し紙を壁紙に使用するための研究も困難の連続だったそうです。
広島で1905年より箔押し紙を作ってきた歴史ある会社、歴清社さん。現在の代表・久永朋幸氏はこう語ります。「箔押し紙の研究は創業者の久永清次郎が真鍮箔を紙に貼るところから始まったのですが、真鍮箔に含まれる銅は徐々に色合いが変わるため、毎年状態を確認しながら地道に改良を重ねる必要がありました。結果、完成するまで約10年の歳月がかかったと聞いています」。また当時の職人たちは、オリジナルのコーティング技術も開発。コーティングには真鍮箔の変色を防ぐ効果があり、その技術は箔押し紙に欠かすことが出来ません。開発には、紙と箔の相性を確かめるなどの試行錯誤があったそうです。「私たちは100年以上前から受け継がれてきた技法を守りつつ、独自の改良を加え新しい物作りにもチャレンジしています」。
その精神のもと歴清社さんは様々な箔を使ったスタイリッシュな商品や、箔を硫黄で燻した独特な色彩の壁紙など、未来へと受け継がれていく新たな伝統を生み出し続けています。

優美な輝きを生む、職人の繊細な技術

熟練の職人が生み出す箔の壁紙は代々受け継がれてきた技術に支えられて誕生します。たとえば職人が手作業で箔を貼る箔押し。約290枚の箔をランダムかつ丁寧に並べることで、絶妙な光沢の変化を生み出します。そのキラキラと輝くゆらめきは、まるで夕暮れ時の大河の水面の様。そして壁紙の表面を美しく整えるために余計な箔を取り除いていく、箔払いの工程。職人が手を動かす度に、箔の粒子が優美に舞います。最後の工程は、壁紙をコーティングするトップコートです。変色を防ぐこの技術は、壁紙の品質を保つために100年以上前に生み出されました。このような長年に渡り守られてきた伝統が、光沢の輝きを支えているのです。

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不均一な皺が空間を鮮やかに彩る

揉み加工を施された壁紙は、照明の光を散り散りに反射し室内に高級感と情緒を与えます。壁紙に皺を与える揉みの工程は、専属の職人が裏紙を握る一見単純に見える作業。しかしそこには、壁紙を握り込む強さの微調整といった長年の経験が詰まっています。裏紙に使われている紙は繊細な素材のため、力を入れ過ぎると破れてしまうのです。そこで職人には、握った時の音から壁紙の状態を察知する耳が必要。工房に響く微かな音を聞き分ける匠は、少しずつ握る強さを変えて細かな皺を刻んでいきます。そうして熟練の技術が息づく壁紙には、日光を柔らかに受け止める岩肌のような自然美が宿るのです。

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光の芸術作品を生む、華箔散らし

華箔散らしは、壁紙に光の陰影を与える技法。その独特な光の強弱は磨き抜かれた技術の調和により作り出されています。壁紙作りに携わる匠は4名。繊細な技術を持つ職人たちは、約300枚もの箔を裏紙に貼っていきます。複雑に重なった箔で裏紙が埋まり輝きが増していく様子は、まるで命の誕生を見ている様。その後、箔同士の小さな隙間を無くすためにブラシを掛け、より美しく輝くように育てていきます。やがて匠の技術の結晶は立体感のある輝きを放ち、上品な雰囲気で空間を包み込みます。

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