トップコミットメント

トップコミットメント

サステイナブルな社会の実現を目指して

 近年においては、地域・経済・社会的な格差や思想の違いに起因するさまざまな社会課題が表出しています。気候変動や生物多様性の棄損、人権侵害や貧困などの課題が深刻度を増し、対応は一刻の猶予もない状況にある中、私たち自身が社会においてどのような役割を果たすべきかの明確化とともに、より具体的なアクションが求められています。
 こうした状況下、⻑期的に実現を目指す社会価値として、サンゲツグループは、⻑期ビジョン【DESIGN 2030】において、「Inclusive (みんなで)」「Sustainable (いつまでも)」「Enjoyable (楽しさあふれる)」な社会の実現に向けて貢献していくことを掲げています。このうち、「Sustainability」は企業の将来的な成長に⽋かせない取り組みですが、⻑期ビジョンでは「Inclusion」を真っ先に掲げています。これは、SDGs の基本的な考え方である「誰一人取り残さない」という理念が、サンゲツグループにとっても極めて重要であると考えているためです。さらに、さまざまな空間創造に携わる当社グループならではの可能性や楽しさ、よろこびの視点を「Enjoy」として加え、これら3つを社会価値創出における私たちの取り組みのベースと位置付けています。

 そして、長期的な社会価値の実現に向けた取り組みとして、私たちはE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、それぞれの観点から、企業としての責任・役割を踏まえた施策を実行しています。
 環境面では、気候変動、資源循環、生物多様性の3分野をマテリアリティと捉え、事業活動におけるカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、および地球や自然を守る活動に注力しています。
 社会面では、人的資本の強化を掲げ、社員の健康への配慮や安心して働ける職場づくり、女性管理職の積極登用やワーキングマザーへの支援など、社員が働きがいを実感できるような取り組みを進めています。そして2024年2月には、東京日比谷に新たな価値創造拠点として「PARCs  Sangetsu Group Creative Hub」を開設しました。意欲あふれる社員の活躍により、新たな価値の創造、サンゲツグループの持続的成長、そしてサステイナブルな社会の実現に寄与してまいります。また、地域コミュニティへの参画としては、活動の中心と位置付けている児童養護施設の住環境改善活動を引き続き推進するとともに、支援が必要な子どもたちの救済やサポートを行う社会団体へ、継続的な支援を行います。
 ガバナンス面においては、当社グループは、経営の透明性・迅速性・効率性を基盤としたガバナンスの強化に取り組んできました。監査等委員を含む7名の取締役会メンバーのうち、過半数となる4名を社外取締役とし、それぞれの専門性をいかして取締役会の実効性向上に努めています。
 このように、外部の視点からの意見を取り入れる仕組みを整備・強化することで、自己満足に陥らない健全なガバナンス体制を維持したいと考えています。

 一方、当社グループでは2022年12月より、サンゲツグループ有志社員が集まり、「企業理念見直し・浸透プロジェクト」がスタートし、2024年1月には新企業理念を発表いたしました。社員一人ひとりが、社会課題の解決を含めたサンゲツグループの未来像を自ら考え、語り合い、方向性を見定め、そして実践することこそが、より実態のある企業理念の昇華、そして社会価値の創出につながると考えます。
 私は、社員一人ひとりを大切にし、その意欲を高め、能力・実力を引き出していくこと、そして正しく強い一本のベクトルに向かって全員で邁進することこそが、企業が良くなり強くなるための大前提と考えています。
 私たちはこれからも、サステナビリティの観点から社会課題の解決を含めた⻑期的な成⻑像を描き、持続可能な社会の実現を目指します。

株式会社サンゲツ 代表取締役 社長執行役員
近藤 康正